40歳まで人間ドックや健康診断について
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 40歳を超えると自治体などで様々な健康診断が用意されていますが、30代までの健康診断は限られています。会社に勤めておられる方は、事業所検診がありますが、会社によっては心電図や採血もない簡易的な健診のところもあります。自営業や主婦、非正規雇用の方などは何年も健康診断を受けていない方もいます。この年代は乳がんや子宮がんを除けば、がんの不安は少ないですが、生活習慣病の対応が必要な人は多く、身体のチェックは重要です。

ちゃんとした検診を受ける事が出来ていない方は
 会社にお勤めの方は事業所検診として毎年健康診断をお受けになっておられると思います。
 非正規雇用の方や主婦の方などは、この事業所検診も受けていません。長年、健康診断を受けておられない方もいるかもしれません。「事業所検診」は多くのクリニックや検診センターで個人での申し込みでも受けることができます。

「事業所検診」でネットで検索してみよう
 お住まいの市町村と「事業所検診」でネットで検索してみてください。事業所検診は競争が激しく調べれば比較的安価で実施しているところがあります。最寄りの医療機関などに「法定の事業所検診を受けたいのですが、いくらかかりますか」と質問をしてみても良いと思います。「採血・心電図のある検診」をお願いしてみてください。価格は自由競争ですので探せば数千円で受診できるところもあります。(同じ内容でも5000円〜2万円ととても幅があります)ネットなどで調べれば安いところも見つかると思いますので、自費になりますが「事業所検診の項目で検診を受けたい」と相談すれば、比較的安価で検診を受けることができます。

→たとえば「吹田市」「事業所検診」で検索してみました。

吹田市商工会議所で6700円相川診療所で6500円医療法人甲聖会紀念病院で8640円などが検索で出てきます。(2016年5月に確認しました)

→東京都の方には区民検診があります。世田谷区で調べますと月に5回程度実施されており、500円で受診できます。ただし胸部レントゲンや心電図の検査はありません。世田谷区の健康診断一覧へリンク

*大阪府吹田市のように、一部の自治体では30歳から住民健康診断を無料で実施しているところもあります。
*大阪市のように15歳から結核検診と称して胸部レントゲンの検査を無料で行っている自治体もあります。
*献血時にも血液検査だけですが、事業所検診と同等の検査が実施されます。


@35歳以上の協会けんぽの本人はバリウム検査も付いた簡易ドック(生活習慣病予防検診)を7000円程度で受診できます。
A16歳以上の東京都民は500円程度で区民検診を受けることができます。(世田谷区の場合)
B30歳以上の吹田市民は無料で健康診断を受けることができます
C日本赤十字で献血を行うと、検査サービスが付きます。


がんへの備え「乳がん検診・子宮がん検診は、きちんと受けましょう」

  40歳までなら、乳がん・子宮がん以外のがんはほとんど発症していません。女性の「乳がん・子宮がんの検診」は、早期発見を目指し定期的に受診してください。 40歳女性は10万人中100人前後に乳がんが発症しています。(国立がん研究センター)上皮内がんを含めれば250人程度になります。乳がんは30歳女性でも10万人中50人近くが発症します。一方、胃がんや大腸がんは併せても30歳で10万人中で5人前後、40歳でも10人程度です。しかも便中ピロリ菌検査や便潜血検査で陰性ならばさらに低くなります。胃カメラで50万件に1件、大腸カメラでは10万件に1件の死亡事故もある(国立がんセンター中央病院)という内視鏡検査を、検便のがん検診が陰性なら、症状も無いのに受診するかはよく検討してください。(参考 内視鏡検査を考えるへリンク




基本的な検査項目が入った健康診断

 

 40歳までだと、乳がん・子宮がんを除けば、がんの発症率は大変低く、がんよりも、むしろ心臓病をはじめとする生活習慣病のチェックが重要となります。心電図・胸部レントゲン・血圧やコレステロール、そして糖尿病や肝臓病の検査です。このあたりの数値のコントロールが出来ていないと年齢を重ねていく中で健康を保つことができません。

40歳未満でも人間ドックは受けておいたほうがいいか?

 人間ドックを考えるのは、やっぱり「がん」が怖いからだと考えます。しかし若い年代でのがんの罹患率は乳がん・子宮がんを除くと非常に低いようです。通常の人間ドックの項目は中高年以上の年代の「がん」を意識した検査項目で、高額ですし、40歳までの方に受けていただきたい検査項目とは合致していないと考えます。

人間ドックとまではいかなくても、追加を検討したい検査項目
 健康診断はどこまでやればいいのか!というのも、余裕のあるお金次第ということになります。
 会社が負担してくれる事業所検診では、生活習慣病(高血圧・高脂血症・糖尿病など)や不整脈(心電図)、結核(胸部レントゲン)、肝臓や腎臓が弱ってないか、通風くらいまではわかります。そしてある程度の問題がある所見が出れば、精査を指示されます。検診結果で異常所見が出れば、保険診療で精密検査を受けることが出来ます。(ただし、人間ドックとちがって、病院の待合室に長く待たされながらの検査となります)
 残念ながら一般的な健康診断は、がん検診の部分が弱いですね。40歳未満のがんの発症率(罹患率)が低いことと、早期発見のためにはくり返し受けないと意味がないことから多くのがん検診で効果を出すのは難しいです。

 厚生労働省では「がん検診のあり方に関する検討会」が2012年から開かれており、「科学的根拠に基づくがん検診ガイドライン」が公開されています。(ガイドラインのパンフレット)ここでは、国が各がん検診のメリットとデメリットを比較してがん検診の効果を評価し、市町村が行うがん検診などの政策の指針とされています。この中で推奨されているがん検診は、
 グレードA  便潜血検査 
 グレードB 胃レントゲン 胃カメラ 子宮頚部細胞診 マンモグラフィ
 グレードC 大腸カメラ
  この調査は中高年を念頭に置いていますが、特にグレードA・Bの検診は、各自治体に対して費用を助成してでも広く国民に受診を奨励したいと評価された検診項目です。多くは自治体では検査費用の助成があり安価で受けることができますが、年齢制限が有り40歳未満ではほとんど扱いはありません。ただし乳がん検診・子宮がん・B/C型肝炎ウイルス検査は一部の自治体では助成を行っていますので確かめてください。

基本的な健康診断を受けたあとに追加して欲しい検査項目
 健康診断を受けたあと、検査結果が渡されます。通常は医師からの結果説明もあると思います。用紙だけ渡されて、何か所見が書かれていたら、結果説明を受けましょう。「要医療・要指導・要精査・経過観察」の判定が出ていて、結果説明がなかったら、一般の医療機関に持ち込んで結果説明や追加検査の相談をすることも可能です。

まずは心臓病のチェック
 心電図に所見があれば、一度心臓エコーを希望してみてください。医師の指示が出れば保険診療で費用は各数千円です。心電図は不整脈ははっきりとわかりますが、それ以外の心臓の疾患を判断を下すには、それぞれの疾患ごとにパターン的な特徴が現れ、それを読み解くわけですが、ドクターの技量によっては判断が異なることが多く、出来れば循環器系の専門医に判断していただきたい検査です。心電計には自動判定機能があり標準パターンから外れた波を測定すると異常波として表示されますが、実際には問題のない波も多く、検診などでは専門外のアルバイトのドクターが判定を行うことも多く自動判定の結果に流される事も多いようです。以前は心電図でしか心臓を調べる事は出来ませんでしたが、心臓エコー検査で心臓弁の様子や逆流の有無等がはっきりわかるようになりました。これまで受けたことがないのでしたら、受けてみるのも如何でしょうか。

受けて欲しい乳がん検診
 
乳がんはマンモグラフィーエコーの検査があります。基本的にはマンモグラフィーの検査で早期発見を目指します事になりますが、マンモグラフィーの画像は乳腺組織の影響を受けて判定しづらい場合があり、乳腺が発達した若い女性の場合はエコーによる乳がん検査が広く使われています。しかしエコーは検査を行う技師のスキルによる影響を受けやすく、また早期の微消石灰の発見精度がマンモグラフィーに劣るとも部分もあります。マンモグラフィーとエコー隔年ごとに実施するなど、併用されることをおすすめします。

<乳がん検診をかしこく受ける>
 多くの自治体では40歳以上しか乳がん検診は実施されていませんが、たとえば大阪市では30歳からエコーによる乳がん検診を1000円の負担で実施しています。京都市では30歳以上のエコーの乳がん検診を1300円で、しかも年二回受けることができます。お勤めの方は、加入している健康保険もお調べください。公務員の共済組合などでは30歳以上を対象に、一部の組合健保では20歳以上を対象に乳がん検診の受信料を助成する制度があります。(なお協会けんぽの健康保険での乳がん検診の助成は40歳以上です)



    
子宮がん検査
 子宮頸がん検査はほとんどの自治体で検診を実施しています。実施方法は市町村によって様々ですが、わずかな負担金で受診可能です。
 子宮頸がんはワクチンで予防できます。子宮頸がんワクチンは多くの自治体で10〜15歳を対象に助成制度があり受診されている方も多いと思います。しかし子宮頸がんワクチンの接種者から重篤な副作用が出たことから、平成25年頃より各自治体では積極的な勧奨を中止しています。(厚生労働省のパンフレット
 なおWHO(世界保健機構)は「薄弱なエビデンスに基づく政治判断は 真の被害をもたらす可能性がある」と日本の厚生労働省のワクチン勧奨中止の方針を批判しています。子宮頸がんワクチンは成人する前に受けるものと認識されている方も多いですが、成人後に接種しても同等の効果があります。しかし成人女性に対してワクチン接種の助成を行っている市町村は僅かで、このワクチンの接種には数万円の費用がかかります。(3回接種)


便潜血検査で大腸がんの早期発見
 大腸がんは乳がん・子宮がんを除けば、この年代で最も多いがんでありますが20〜30代ではまだ罹患率はそう高くないため、自治体の大腸がん検診も40歳からが多いようです。 便潜血検査は大腸がんのスクリーニング検査です。郵送型大腸がん検査ならネット申し込みで2000円くらいで受けることができます。大腸がんの確定診断には大腸カメラの受診が必要ですが、大腸カメラは費用がかかり身体的にもリスクが高いため、早期発見のために繰り返し受診することが難しいため、手軽な検便で調べる便潜血検査で事前チェックし、陽性の場合は大腸カメラなどの精査を行うことになります



胃がんの早期発見と予防
 日本では胃がんの発症数は減っており、上水道の完備により飲料水が清潔になってピロリ菌感染者が減少していることが胃がんそのものを減らしていると言われています。胃がんの早期発見を目指して事業所検診や自治体検診でバリウム検査を中心に集団検診でも広く取り組まれていますが、その対象者は35歳あるいは40歳以上が中心となっています。近年はピロリ菌が胃がんと深く関わってきていることがはっきりしてきた頃から、早期発見だけでなく、ピロリ菌の感染の有無を調べ、感染者は早めに除菌しておくことで胃がんを予防する考え方も広まってきています。
 
胃レントゲン(バリウム検査)
 胃の調子が良くなければ、胃レントゲンを希望してみてください。医師の指示が出れば保険診療で胃レントゲンを受診することになります。(費用は数千円です)

胃カメラ 胃がんの確定診断、治療方針の決定、そして実際の治療において、とても重要な検査です。デジタル技術の進展に伴い内視鏡は低価格化と小型化が進むとともに、画像精度は上がり鮮やかな画像に高い評価を行うドクターが増えています。しかしこの検査は治療目的や胃レントゲンやピロリ菌の検査で陽性の場合はともかく、人間ドックや健康診断での胃カメラはよく考えて受診してください。この年代での胃がんの確率は低いにもかかわらず胃カメラの検査精度は施術医による個人差が大きく、死亡事故も含む数千件に1件の割合で重大事故も起きています。(胃カメラは多くの医療機関で施術前に「検査事故時の対応や補償」について同意書にサインを求められます。このあたりの体制のしっかりしている医療施設で受診してください。)(参考 内視鏡検査を考えるへリンク

ピロリ菌検査 胃がん患者の99%がピロリ菌の感染者であったと報告されています。ピロリ菌の感染によって起きる萎縮性胃炎に長年侵されることによって胃がんが起きると言われてります。ピロリ菌が陰性なら毎年の胃がん検診も不要であると語るドクターも数多くいます。ピロリ菌検査としては便から直接ピロリ菌の存在を調べる抗原検査と、ピロリ菌感染によって体内に作られる血液や尿中の抗体を調べる抗体検査の2種類があります。この検査で陽性なら除菌治療を行います。2013年よりピロリ菌の除菌治療は保険適用になりました。ピロリ菌検査は抗原検査でもネット申し込みで3500円程度です。ピロリ菌検査には血液や尿から調べる抗体検査と、便から調べる抗原検査があります。直接ピロリ菌の存在を調べる抗原検査の方が精度お高く、除菌後の再感染もチェック可能ですが、医療機関ではその場で採取できる尿や血液から調べる抗体検査が多く利用されています。ピロリ菌に感染すると体内で作られる抗体を調べるため、タイムラグが起きたりすることもあります。ピロリ菌陰性の場合、胃カメラなどのリスクのある検査は不要ではないかと主張するドクターも増えています。このあたりは慎重に検討する必要があります。



肝臓がんの検査
 日本での肝臓がんの原因の約90%はウイルス感染です。C型肝炎ウイルス(HCV)が原因となっている場合が全体の約70%、B型肝炎ウイルス(HBV)が原因となっている場合が全体の約20%です。受けたことがない方は、多くの自治体で無料で調べる事ができます。肝炎検査で陽性の方は腹部エコーも受けてください。保険診療になります。肝炎ウイルスに感染していた場合、適切な治療を受けることで肝硬変・肝がんの予防につながります。
★戦後の保健行政の失敗から肝炎が日本人に多く感染していることから、国の事業として肝炎の無料検査が実施されています。調べたことがない方は市役所のホームページで確認してください。

腹部エコー・頸部エコー 採血で脂質異常・高脂血症の所見があれば希望してみてください。医師の指示が出れば保険診療で費用は各数千円です。


胸部CT検査 煙草を吸われる方など、保険診療での受診は難しいかもしれませんが、相談してみるのも良いかもしれません。肺がんの早期発見はこれしかありません。肺炎などもよくわかります。

【がんの早期発見】がんの早期発見を考えるのなら、がん検診を繰り返し受ける必要があります。どんな高度な検診も、たまにしか受けなければ早期発見は望めません。そのあたりを考慮すると高額な最新の医療機器による検査は、一部の富裕層を除けば意味がないことがわかります。なにか病気を疑う症状があるときは、医療保険が使えます。お忙しい方や、安心を求めて、またこのあたりの検査を「一度に受けたいなら」費用はかかりますが人間ドックを受ける理由はありますが、残念ながら1回だけの人間ドックでは安心することは出来ません。自治体の助成や保険診療でと考えるなら、検診結果説明時に追加検査を医師に相談するなり、要医療や要指導、経過観察となっている結果項目があれば大病院でも紹介状なしで受診できますので、結果表をお持ちになってこれらの追加検査をお願いされるのもよいと思います。

 健康診断を受けずに来た方で自費で検診を受ける場合、事業所検診を自費で受けるのがよいかと思います。事業所検診は多くの医療機関で実施されており、競争も激しくネットなどで調べれば比較的安価で実施しているところもあります。(価格は数千円から2万円くらいまで医療機関によって様々です。よく調べて受診してください。)


大腸がんは早期発見で治る病気です。
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増えている大腸がん

 毎年、12万人もの方が大腸がんを発症しています。大腸がんの発症は60歳以上の方に多いため、医療に携わる者も含めて若い人は、たとえ症状が出ていても見過ごされがちですが、30代で1000人程度、40代では約5000人の方の大腸がんが発見されており、見過ごせない実数となっています。仕事や子育てに忙しい30〜50代の方々の大腸がんは、高齢者に比べ侵攻が速いことが多く、また発症した時の仕事や家族の生活に与える影響も深刻です。近年、大腸がんは早いうちに見つかれば治る病気と言われていますので、特に早期発見が重要と考えますが、この検査の受診率は高くありません。

 私たちは、出来るだけ多くの方に大腸がんの検査を受けていただけるように、運用方法を工夫し、コストを見直して「郵送型の大腸がん検査」を始めました。インターネットを利用し、郵送型とにすることで、何度も医療機関や保健所に足を運ばなくても、手軽にお受けいただけます。検査の信頼度を上げるため、大手の検査機関に検体検査は依頼しています。

多くの自治体で40歳以上の方などを対象に大腸がん検診を実施しています。詳細は、各地の保健センターや保健所などにお問い合わせください。

大腸がんに関するリンク集

財団法人 日本対がん協会 大腸がん検診の流れとその効果 
*大腸肛門病辞典 「大腸.COM」 
*科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 
*特定非営利活動法人ブレイブサークル運営委員会「ひろげよう。大腸がん検診の輪」 
がんの統計 - がん研究振興財団 

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