大腸がん検査(定量) 1600円 (送料:5名様まで860円・代引手数料込) |
検査精度を上げるため、二日間採便をしていただく2回法で検査します。便中のヘモグロビン濃度を数値でお知らせします。検便による大腸がん検査も、「陽性・陰性」だけでなく、便中のヘモグロビン濃度を数値で出すことが出来ます。)
定量検査と定性検査
大腸がん検査(便ヘモグロビン検査)では、便中から血液が検出されると「陽性」と判定され大腸ファイバーなどの検査に進むようにご案内しております。大腸に腫瘍が出来ると、その部分がもろくなり、便が通過するときに血液が付着することが多い。便を採取して血液が付着しているかを調べることによって大腸がんの可能性を探りますが、痔や大腸炎が原因で付着することも多々あります。近年、検査技術が進み便中ヘモグロビンを数値で測定可能(定量検査)となり、またより微量の血液も検出できるようになりました。
これまでの定性検査で「陽性」とされていたものは、ヘモグロビンの濃度が 75〜100 ng/ml 以上のものとされています。定量検査が行われるようになり、検査後のの大腸がんとの研究も進められています。
便中ヘモグロビン検査は直接大腸がんを調べる検査ではありませんので、ヘモグロビンの濃度がほとんど 0 ng/ml であっても大腸がんの場合はありますし、1000
ng/ml を超えていても大腸がんでない方も多数おられます。(痔や大腸炎など別の病気がある可能性が高いが)。しかし100 未満のグループと 100
以上のグループを分ければ 100未満のグループでは確率は極めて低く、100以上の方には陽性として内視鏡検査など精密検査をおすすめします。また 500以上 あるいは 1000以上のグループの大腸がんの罹患率はさらに高くなります。
宮城県対がん協会がん検診センターでの調査では陰性とされる40ng/ml以下の進行がんの確率は0.2%程度、40〜50における進行がんの確率は0.4%、60〜100で1.2%とされています。陰性でも内視鏡検査が必要なのではないかという考えもありますが、確定診断には欠かせない内視鏡検査ですが、可能性の非常に低い人まで実施するのは、検査時の事故も無視できない現状では受診者の費用負担、身体負担を考えると、現在の仕切り値を逆に引き上げたほうが有効性が高いのではという議論もあります。(図2)
ネット上には定量検査と大腸がんの関係を研究されている方の情報も多く見られるようになりました。
(参考資料) 検診のスクリーニング法としての便潜血検査 便潜血検査を侮るなかれ
どのくらいの人が陽性と判定されているのか?
30代のみなさん 最近当センターで大腸がん検査を受診された30代の受診者3000人をチェックしたところ184人(約6%)の方が陽性反応となっています。この場合大腸ファイバー検査が必要と考えます。 40代のみなさん 最近当センターで大腸がん検査を受診された40代の受診者3000人をチェックしたところ204人(約7%)の方が陽性反応となっています。この場合大腸ファイバー検査が必要と考えます。50代のみなさん 最近当センターで大腸がん検査を受診された50代の受診者3000人をチェックしたところ256人(約8%)の方が陽性反応となっています。この場合大腸ファイバー検査が必要と考えます。
この検査を受ける方は、症状があったり、人間ドックなどで陽性反応が出たことがある方が一定割合おられるので、やや高めの陽性率になっていると考えられます。便潜血が陽性になる疾患で、比較的若い方にも多いのが、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患があります。大腸の壁に小さい袋のようなもの(憩室=けいしつ)ができ、そこが炎症を起こすことで出血するケースもあります。大腸ポリープからの出血によって陽性となる場合は注意が必要です。特に、大腸ポリープは、ほとんどが良性ですが、直径が2cmを超えると、一部ががん化し始めるとも言われています。痔が原因で陽性となることもありますが、自覚症状のある痔でも大半は陽性になりません。
採便したキットは何日くらい置いておけるのか?
この検査は2日間の便を検査します。便秘の方など二日連続で採取することは難しい場合もあります。当センターでの検査は検体を郵送で送っていただきますので、さらに心配な方もいらっしゃると思います。採取した検体は冷暗所に保管して、出来るだけ早く提出していただくことが重要ですが、検査キットに使われる専用容器も進歩しております。容器内に充填されている保存溶液には、ある種のタンパク質成分が含まれており、便中のヘモグロビンの安定化を図ります。常温でも2週間程度なら、ほとんど結果に影響を与えないとされており、出来るならば冷蔵庫に保管いただく事を推奨しております。定性検査では 100ng/mL(1ng/mLは1ミリリットル中に10億分の1グラム)程度の濃度で陽性としております。(大腸がんにかかっている場合、多くは数百〜1000ngを超えるとされています)。
便中のヘモグロビンの濃度を数値で調べる定量検査では、検便採取後、検査までの保管日数や温度によって一定の影響が出てしまいます。安定液を使った専用容器でも30度以上の気温で数日保管・輸送すると数値がかなり下がることが予想されます。輸送中の検体劣化防止のため7〜8月出荷分の当院の定量検査キットは速達郵便で返送していただきますが、採取後は出来れば冷蔵庫に保管し、なるべく早めに提出してください。
検便の検査では、大腸がんの確定はできません。大腸ファイバー検査が必要と考えられています。
大腸内視鏡検査(大腸ファイバー)は、胃カメラと同様にファイバースコープを肛門より挿入し、直腸から盲腸まで全大腸をみる直接調べる検査です。しかし一人の医師が1日にできる件数はわずかですし、健康な人が健診としてこの検査を受けたとしても、大腸がんの発見確率はとても低く、皆が受けるキャパシティーはなく、また受診者の体や費用の負担も大きくなります。この便潜血検査で陽性反応となった方が大腸ファイバー検査を受けると、5〜15%位の方にポリープが見つけられることが多く、その中に少なからず大腸がんが発見されます。限りある資源である大腸ファイバー検査で効果的に大腸がんを発見するには、スクリーニング検査としてこの検査は非常に有効であると考えています。
ただし、あくまで確率の話であり、検便検査で陰性であるからといって「大腸がんではない」と証明できるわけではありません。「陽性時に比べて、大腸ファイバー検査をしても、大腸がんが発見される確率が非常に低いと判断できる」という意味となります。
検便で、便に混じった血液を調べる検査です。2日間の便を検査し、毎年受けることで精度を高めています。
この検査で陽性となったときは、大腸ファイバー検査を受けてください。
毎年、12万人もの方が大腸がんを発症しています。大腸がんの発症は60歳以上の方に多いため、医療に携わる者も含めて若い人は、たとえ症状が出ていても見過ごされがちですが、30代で1000人程度、40代では約5000人の方の大腸がんが発見されており、見過ごせない実数となっています。仕事や子育てに忙しい30〜50代の方々の大腸がんは、高齢者に比べ侵攻が速いことが多く、また発症した時の仕事や家族の生活に与える影響も深刻です。近年、大腸がんは早いうちに見つかれば治る病気と言われていますので、特に早期発見が重要と考えますが、この検査の受診率は高くありません。
私たちは、出来るだけ多くの方に大腸がんの検査を受けていただけるように、運用方法を工夫し、コストを見直して「郵送型の大腸がん検査」を始めました。インターネットを利用し、郵送型とにすることで、何度も医療機関や保健所に足を運ばなくても、手軽にお受けいただけます。検査の信頼度を上げるため、大手の検査機関に検体検査は依頼しています。
多くの自治体で40歳以上の方などを対象に大腸がん検診を実施しています。詳細は、各地の保健センターや保健所などにお問い合わせください。
*財団法人 日本対がん協会 大腸がん検診の流れとその効果
*大腸肛門病辞典 「大腸.COM」
*科学的根拠に基づくがん検診推進のページ
*特定非営利活動法人ブレイブサークル運営委員会「ひろげよう。大腸がん検診の輪」
*がんの統計 - がん研究振興財団